モノポリーは、認知機能の向上からストレス軽減まで、多方面のリハビリ効果を提供するボードゲームです。
本記事ではモノポリーのルールや期待できるリハビリ効果について解説します。
モノポリーとは?
モノポリーは、プレイヤーが不動産を購入し、家やホテルを建てて他のプレイヤーから賃料を徴収することを目的としたボードゲームです。
1935年にアメリカで最初に公式に販売されましたが、その起源はそれよりもずっと前に遡ります。
プレイヤーは、ゲームボード上を移動するためにサイコロを振り、その結果に基づいて不動産を購入したり、特別なカードを引いたり、他のプレイヤーと取引を行ったりします。
目的は、モノポリー(同色の全ての不動産を所有すること)を形成し、他のプレイヤーを破産させることにより、経済的支配を達成することです。

モノポリーのルール
モノポリーは、プレイヤーが土地を購入し、家やホテルを建てて、他のプレイヤーから賃料を徴収することで財産を増やしていくボードゲームです。
ゲームの目的は、他のプレイヤーを破産させて最後の勝者となることです。
以下に基本的なルールを説明します。
ゲームの準備
プレイヤーは2〜8人です。
各プレイヤーはゲームボード上の「GO(スタート地点)」から始めます。
各プレイヤーにはゲーム開始時に一定額のお金が配られます(通常は1500モノポリーマネー)。
ゲームの進行
- 順番: プレイヤーは順番にサイコロを2つ振り、出た目の合計分だけゲームボード上を進みます。
- 土地の購入: プレイヤーが止まった場所が誰のものでもない土地であれば、その土地を購入する権利があります。購入を希望しない場合、その土地はオークションにかけられ、最も高い値をつけたプレイヤーが購入できます。
- 賃料: 他のプレイヤーの土地に止まった場合、その土地の所有者に賃料を支払わなければなりません。賃料は土地のカードに記載されていますが、その土地に家やホテルが建っている場合は、賃料が高くなります。
- 特別な場所: 「チャンス」と「共同基金」のマスではカードを引き、指示に従います。「刑務所」には止まるだけでなく、「直行」で入れられることもあります。また、「無料駐車」マスには特にルールはありませんが、バリエーションルールでは賞金が与えられることもあります。
- 家とホテル: 自分が所有する土地の全てに家を建てた後、ホテルを建てることができます。これにより、その土地に止まったプレイヤーから高額の賃料を徴収できるようになります。
- 破産: プレイヤーが賃料や税金、カードの指示による支払いなどでお金が払えなくなった場合、破産となりゲームから脱落します。
ゲームの終了
最後に残ったプレイヤーが勝者となります。
モノポリーは戦略と運の要素が混在するゲームであり、交渉や取引も重要な役割を果たします。
プレイヤーは土地を購入するだけでなく、他のプレイヤーと土地を交換したり、共同で土地を開発するなどの戦略を練ることができます。

モノポリーで期待できるリハビリ効果について
モノポリーをリハビリテーションに応用することで、様々な健康上の利益を期待できます。
ここではその効果として…
- 認知機能の向上
- 社交スキルの強化
- 決断力と問題解決能力の向上
- 細かい手の動き(微細運動能力)の改善
- ストレスの軽減
…について解説します。
認知機能の向上
モノポリーをプレイする過程では、常に次の一手を考え、相手の動きを予測する必要があります。
これにより、注意力、記憶力、そして計画性のような認知機能が鍛えられます。
特に高齢者や脳機能の回復を目指す人々にとって、このような複雑な思考プロセスは脳の活性化に役立ち、認知症の予防や進行の遅延にも繋がる可能性があります。
また、ゲームを通じて新しいルールを学び、戦略を練ることは、学習能力と適応能力の向上にも寄与します。
社交スキルの強化
モノポリーは複数人でプレイするゲームであり、交渉、協力、競争といった社交的なやり取りが不可欠です。
これらのインタラクションは、コミュニケーション能力を向上させるだけでなく、他者との関係を築く上で重要な社交スキルを養います。
特に、社会的な接触が限られがちな人々(例えば、長期療養中の患者や高齢者など)にとって、モノポリーは社会的なつながりを再構築する手段となりえます。
また、ゲームの勝敗に対する適切な反応を通じて、忍耐力やストレス管理能力を育むこともできます。
決断力と問題解決能力の向上
モノポリーでは、土地を購入するか否か、どの土地に投資するか、いつ交渉を行うかなど、継続的に重要な決断を下さなければなりません。
これらの決断は、リスクとリワードを慎重に評価する能力を要求し、プレイヤーの決断力と問題解決能力を高めます。
また、予期せぬゲームの展開に対応する過程で、柔軟性やクリエイティビティも養われます。
リハビリテーションの文脈では、これらの能力が日常生活の課題に対する対処能力の向上に寄与すると考えられます。
細かい手の動き(微細運動能力)の改善
ゲームピースを動かしたり、カードを扱ったりする行為は、細かい手の動きを必要とします。
これにより、手指の微細運動能力、特に手の協調性や器用さが鍛えられます。
リハビリテーションでは、例えば脳卒中後の患者が細かい動作の制御を再学習するために、このような活動が推奨されることがあります。
また、細かい手の動きは脳の特定の領域を刺激し、神経回路の再構築を促すことで、全体的な脳機能の回復にも寄与する可能性があります。
ストレスの軽減
モノポリーを含むゲームプレイは、楽しみながらリラックスする方法としても知られています。
集中してゲームに取り組むことで、日常の悩みから一時的に離れ、ストレスレベルを下げることができます。
また、友人や家族とのポジティブな相互作用は、社会的支援の感覚を高め、精神的なウェルビーイングに貢献します。
リハビリテーションの文脈では、特に長期間にわたる治療や回復プロセスにおいて、ストレスの軽減は患者の全体的な回復過程において重要な役割を果たします。
